お米の値段高くない?|価格高騰の原因をわかりやすく解説【2025.11月】

ニュース

2024年から続く「令和の米騒動」。
スーパーで米が品薄になったり、価格が急激に上がったりと、私たちの生活に直結している米問題を取り上げます。

本記事では、
・なぜ米が高騰しているのか
・今後どうなるのか

を、忙しい人でも5分で理解できるようにシンプルに解説します。

ニュースの概要

なにが起きた!?

2024年夏以降、全国のスーパーなどでコメが品薄になり、5kgあたりの小売価格が急上昇。
SNSで「米が高すぎる」「買えない」との声が急増しています。

どんな影響がある?

  • 家計の負担が大きくなる。
  • 飲食業界やコンビニなども値上げなど、経営判断を迫られる。

過去にもあった?

1993年に「平成の米騒動」が起きています。

何が起きた?

・スーパーから米が消える
・タイ米を大量に緊急輸入(混ぜて販売され賛否あり)
・消費者の不安から買い占めも発生
・単価が高騰し、飲食店にも影響

原因

・記録的な冷夏
・日照不足と低温で全国的に収穫量が激減
・平年の約7割しか収穫できなかった

ニュースを深堀り

米の流通経路

米はどういう経路で私たちの手元に届くか知っていますか?

意外かもしれませんが、米は生産されてから様々な事業者を経由しています。

農林水産省HPから引用

価格高騰の原因

異常気象による大幅な不作

近年の記録的猛暑の影響で、高温障害(米が白く濁る・粒が小さくなる現象)が急増。
これにより、「収穫量の減少」「品質低下による出荷量の減少」が起こり、供給が一気に落ち込みました。
品質の良い米が少なくなったので、少ない米に買い付け競争で価格急騰につながっています。

生産コストの急上昇

令和に入り、生産コストが軒並み上昇しています。

  • 肥料価格の高騰
  • 燃料費の増加
  • 農薬・資材価格の上昇
  • 農業機械の維持費増加

生産者の負担が増え、米農家が儲からず、作付けを減らす → 供給減 → 価格上昇 という流れが起きています。

米の作付け面積の減少(構造的な問題)

日本国内の人口減少やパン食普及により、国は米の生産を減らす「減反政策」を続けてきました。

減反政策とは

米の作りすぎを防ぐために、農家に作付け面積を減らさせる政策です。
1.目的
  米の供給過剰による価格下落を防ぐ
  農家の収入を安定させる
2.仕組み
  国が作付け目標(減らす面積)を設定
  農家は指定された田んぼの一部を休ませたり、他の作物に転作作付けを減らす代わりに補助金が支給される
3.結果
  米の生産量を調整して市場価格を安定化
  米の値崩れを防ぐため、結果として米農家を保護できる

米の生産量がそもそも少なく設定されているので、不作が起きた時のダメージが昔より大きくなります。

また、減反政策は2018に終了しているものの、毎年国が米の生産量の目安を設定しています。
2025年の生産量は前年の民間在庫量の見通しを立てて設定していますが、2024年の夏時点ではコロナ渦の消費の落ち込みが影響して、在庫が過剰気味となっていたことから目安設定が低く見積もられました。

全農HPから引用

輸出増加・業務用需要の回復

  • 海外で日本米の人気上昇 → 輸出拡大
  • コロナ後の観光業・外食産業の回復 → 業務用米の需要急増

これらも需給を引き締め、価格を押し上げています。
国は、コロナ明けでここまで需要が増加するとは予想できなかったようです。


質問

備蓄米が放出されたのに、なぜ値段が高いの?

価格が高騰する米の市場価格を抑えるために、国がいざという時のために備蓄してある備蓄米を市場に放出することで、米の供給量を増やすことを試みました。

スーパーに5kg 2,000円台の備蓄米が並ぶなか、ほかの米は高値が続きました。
これはすでに卸売り業者が高値で仕入れた米を安値で流通させることができないためだと言われています。

新米が出たのに安くならない理由は?

夏にJAなどの集出荷業者が農家から仕入れる際、今年も収穫量は少ないかもしれないと危機感があり、結果として供給量が少ない=高値で仕入れることになったため、市場に出回る米も高値が継続しています。


今後どうなるのか

2025年の収穫量は前年より多いことから、新米が本格的に市場に出回る12月頃から価格は少し安くなっていくことが見込まれます。

ただし、5kg 3,000円台のような以前の米価格に戻るためには技術進歩が必要であると考えられます。

必要な技術進歩

省コストで生産できる農業の進展

近年の物価上昇によって、生産コストが増加する中。
低価格で米を販売しても米農家が利益を出すことができるような生産方法を進める必要がある。

また、農家の所得補償を求める声もあります。

高温に強い米の品種開発

毎年のように過去最高気温を更新しているような現状でも、安定して生産できる米を品種開発する。

まとめ

お米の価格高騰の原因は、さまざまな要素が重なっていました。

・異常気象による大幅な不作
・お米の生産コストが急上昇
・国の政策判断による米の生産量減少
・コロナ明けにお米需要が急増

あなたはお米の生産についてどう感じましたか?
ぜひコメント欄であなたの意見を教えてください!

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